土曜日, 4月 07, 2007

「花信風吹き、花人の想いに共感す」-西行法師

『願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃』

この歌は、平安末期に生き、生命を深く見つめ、
花や月をこよなく愛した西行法師の作です。

弥生から卯月にかけて桜が花を盛りとするこの季節になると、
必ずこの歌が思い出されます。

先日の日曜、家族で花見を楽しみに近くの公園へ出かけました。
満開の桜が連なり、春の香りがそこかしこに立ち込めて、
時折風に吹かれて花びらが舞う様に、心が洗われる素敵な
時間に身をおくことができました。

一緒に行った息子、妻、義父、義母も同様に満開の桜に
満足げであり、幸せを感じさせてくれる自然という存在に、
あらためて感謝の気持ちを強く持ったものです。


西行法師は、「北面の武士」(御所の北側を警護。名誉ある精鋭
部隊)であり、文武両道で華やかな未来が約束されていたにも
関わらず、エリート・コースを捨て、1140年22歳の若さで出家
しました。
理由は諸説あるようですが、
その後特定の宗派に属さず、地位や名声も求めず、ただ山里の庵
で自己と向き合い、和歌を通して悟りに至ろうとする歌人と
なります。
(法師の歌は「新古今和歌集」では最多の94首が入選していますが、
山里の庵の孤独な暮らしの中から詠んだものです)

1189年、71歳の時に自身がたどり着いた集大成ともいえる
和歌観を次のように語っています。

「歌は即ち如来の真の姿なり、
 されば一首詠んでは一体の仏像を彫り上げる思い、
 秘密の真言を唱える思い」

法師は亡くなる十数年前に、遺言というべきこの歌を詠みました。

「願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月の頃」
 ※如月の望月とは、2月15日であり、釈迦の命日です。
(願わくばこの桜の花の咲く頃、満開の花の下で春逝きたい)

事実、西行が来世へ旅立ったのは2月16日でありました。

花を愛し、歌に祈りを込めたすばらしき歌人。



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