日曜日, 4月 15, 2007

「持続的であるということ」-龍村仁

映画「地球交響曲・ガイアシンフォニー」は、私の好きな
映画です。これまでに第1番~第5番までが製作され、
現在は第6番が公開されています。

この映画の監督である龍村仁さんは、これからのの時代に
おいて、一人ひとりの人間の心の持ち方、価値観、
選択の判断がとても重要であるといいます。

それは社会から見たら小さなゆらぎであるが、その小さな変化が
結局は大きな変化につながるものだからです。

龍村監督が前に、「木を活かして樹を生かす─
カナダ先住民の知恵」 の話をされていたことがあります。


「カナダ・ブリティッシュコロンビア州の原生林の中を
友人のポール・スポング博士と共に散策している時の

事だった。

ポールはシャチの研究家として世界的に知られる人だが、
同時に過去数十年に わたってカナダの原生林を守る

活動も続けている。

「ジン、ちょっとあの樹をよく見てごらん」

ポールが指さす先に樹齢200年ぐらいの
巨大なアメリカ杉がそびえ立っている。
 
この森の中にはポールたちが“祖母の樹(グランマザー・
ツリー)”と呼んでいる樹齢2,000年を超える巨樹も
あり、私はポールを訪れる度にその“祖母”に

会いに行って、 大きな力を与えられていた。

その“祖母”に較べると、ポールの指さす樹は確かに

巨大ではあるが、まだ若々しさがあり、
人間でいえば働き盛りといったところだろうか、
周りの樹々に較べてさほど特別なナニかがあるようには
見えない。

そう思っている私の心を見透かすように、
ポールがあのイタズラっぽい笑顔でニヤッと笑った。

「ここだよ、ここ。ここをよく見てごらん」
 
樹に近づいたポールが、直径3m近い幹の中央の

あたりを、腕をいっぱいに伸ばして上から下へ
やさしくなでおろした。

ポールの手の動きに沿ってよく見てみると、
地上5mぐらいの所から1mぐらいの所まで、
縦にまっすぐに薄い亀裂が走っている。

そして、その亀裂を覆うように左右から
幹の一部がこんもりと盛り上がっている。

「100年ぐらい前、先住民の人たちが
この樹を利用した痕跡だよ。傷の大きさから見て
多分カヌーのパドルか骨組みをつくったんだ」

当時の先住民の人々は、樹の生命を絶つこともなく、
必要に応じて樹を利用する様々な方法を知っていた。
この場合は、樹のある部分にくさびを打ち込み、
柾目に沿って幹の一部を取り出したのだ。
 
その傷の程度は、樹にとって傷ではあったが

致命傷ではなかった。

いや、むしろ傷ついたことによってこの樹は、
自分の生命の自然治癒力を一気に活性化して、
100年ほどの間に自ら傷を癒し、
ある意味では生きる力をさらに
高めて堂々と生き続けているのだ。

教えられない限り、この樹がかつて人に利用された
ことがあるなどと全くわからないほど健康に見える。

人は自らの欲求にもとづいて、自然を利用し変えてゆく。
しかしその時、自然を自分と同じ生命を
分かち合っている存在と見ているか、
単なる“物”と見ているかで
何かが決定的に違ってくるのだ。」


私たちは、持続可能という言葉がなかった時代に、
持続的な森林利用を行なっていた先住民の叡智、
生活、習慣を見習う必要がありますね。




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