火曜日, 5月 29, 2007

「光で世界を建築する」-安藤忠雄

先日テレビを見ていて、久しぶりに唸ってしまいました。
「やはり、安藤忠雄さんはすごい」と。

見ていた番組は、 NHKハイビジョンのスペシャル
「光で世界を建築する」-安藤忠雄 あくなき闘い-

安藤さんは、若き日に建築の道を志し、独学で学びながら
自分の目指す建築について自問自答を繰り返す中で、
本質を追求し、現在では世界から高い評価を受けています。

絵画館の発注をした、あるフランス人はこう言います。
「私のようなフランス人がいうのはおこがましいかも  
しれないが、安藤さんは禅の真髄を追求されていると思う。  
すなわち、本質をつきつめている方なのでしょうね」

安藤さんは、現代日本社会の軽薄短小な風潮には
決して合わせることなく、ご自身の目指す建築を通して、
人と自然との調和、人と人との対話、そこから生まれてくる
未来社会の創造と平和を願っています。

「私は建築家を職業としているが、  
この仕事の社会的意義とは、  
環境に対する責任であると考えている。    

ただ建物をつくるだけでなく、  
周囲の自然との関わりを考え、
地域社会との関わりを考えて、  
場所全体、環境そのものの向上を主題として、  
建築をつくり続けてきた。  

江戸時代以来、日本人は美しい自然と共に生きる
日々の暮らしの中で独特の感性を磨き、
それが民度の高さにつながってきた。  

しかし、高度経済成長時代の日本は、  
大量生産・大量消費のアメリカ型の豊かな生活に  
向かって邁進を始めた。  
70年代以降、高い技術力を持った  
勤勉な国民を抱えた日本は、  
瞬く間に世界でも有数の経済大国に発展した。  

この時期に、一方で日本は  
多くの矛盾を生み出してしまった。  
都市は郊外へ無計画に拡大し、周辺の自然環境は
無残に破壊され、多くの公害問題を引き起こすこととなった。  

これらの傷跡は、今の我々の生活にも深く関わってきている。  
これからの社会では、物質的豊かさを求め続けた代償として
失ってしまった、日本人が本来持っていた  
「ものを大切にする心」
「きめ細やかな感性」を、  
もう一度見つめ直し、育てていく必要がある。  

21世紀は、環境と再生という観点から、  
建築の社会的な役割がより一層問われることになると思う。  

かつての日本人は、美しい自然に育まれ、  
そのきめ細やかな感性と、ものに対する愛情を養っていた。  
これらはまた、「自分で考える」ことで磨かれる。  
そのためにも、人々が集まって対話をする場所が必要。    

ものづくりに関わる人間として、  
自分たちが置かれている立場を今一度、見つめ直し、  
そんな「感性を育む場所づくり」  
に努めていく義務があると考えている。  

私たちは大きな意識転換を迫られている。  
その現在だからこそ、人間は”緑”のことを考えるべきだと思う。  

使い捨て社会にあって、”緑”は変わらず命あるものの大切さを、  
日常の経験を通じて私たちに教えてくれる、尊い存在だ。」


昭和16年大阪生まれ。
独学で建築を学び、 昭和44年に安藤忠雄建築研究所を設立。
代表作
姫路「兵庫県立こどもの館」
大阪「光の教会」
スペイン「1992年セビリア万国博覧会日本政府館」
大阪「大阪府立近つ飛鳥博物館」
パリユネスコ本部「瞑想空間」
淡路島「淡路夢舞台」
愛媛「南岳山光明寺」
イアリア・トレヴィソ「FABRICA-ベネトンアートスクール」
イタリア・ミラノ「アルマーニ・テアトロ」
アメリカ・セントルイス「ピューリッツァー美術館」
大阪「司馬遼太郎記念館」
神戸「兵庫県立美術館」
東京「国際子ども図書館」
アメリカ・フォートワース「フォートワース現代美術館」



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