日曜日, 7月 15, 2007

「昆虫採集は、生命観・自然観の基になる」-矢島稔

先週の土曜は、息子と二人で探検隊。
今日は妻も入っての探検隊になりました。
といっても、近所のわりと大き目の公園に遊びにいった ものですが、
大きな出会いがありました・・・
それは、カブトムシに会えたのです。

先日の日記で、息子が甲虫に関心を持ち始めたばかりと
書いたばかりだったのですが、まさか会えるとは思っていなかっただけに、
とてもうれしい 出来事でした。

広い公園の中をいろいろ歩きながら、歩道の脇の小さな階段を 降りて、
小道に着いたその時・・・
少し後ろを歩いていた妻が、
「良ちゃん、そこの木を見てごらん~」。

息子と一緒に振り返り、後方の右横にあった山桜を見ると、
「あっ、カブトムシ!」
ちょうど妻の背丈ぐらいの高さのところに、赤茶色で立派な
ツノを持つオスのカブトムシが。
3人で興奮しました。

森の神様に感謝して、家で飼育することにしました。
息子が初めて生き物を飼育する機会となりました。
体を持つと足をばたばたしていたのが、
ツノを持つとじっとする カブト。
やはり虫の王者だなあと見ていると、
子ども時代のことが 思い出されてきました。

毎年夏になると、虫採りへ。 友達と一緒だったり、
一人だったりしながら、虫かごと網を 持って、近隣の森を
いろいろまわり、カブトやクワガタが 樹木にいる姿を
見つけたときの
「やった~見つけた」という興奮は、本当に懐かしい思い出。

それは、私達大人の世代であれば、誰もが多かれ少なかれ持つ
郷愁の夏の思い出でしょう。
面白いもので、妻もやはり同じようなことを思い出していました。
しかし、今の時代、虫たちをとりまく環境はずいぶん 変わってしまいました。

①輸入された外来種による国産甲虫の淘汰  
 私が子どもの時にはいなかったヘラクレスオオカブトなど  
 外国産のいろいろな甲虫が、自然生態系を理解しない輸入業者  
 や愛好家によって相当持ち込まれてしまいました。  
 強い虫が大好きな子ども達に人気が出て広まっていった結果、  
 家や店などから逃げ出したものがいて、国産のカブトや  
 クワガタ達が淘汰されてしまっています。  
 遺伝子の交雑も心配されます。

②雑木林の荒廃による生息環境の悪化  
 カブトやクワガタは、広々とした雑木林が大好きです。  
 彼らは一見頑丈そうな体を持っていて、茂みの中をかき分けて  
 入っていけるように見えますが、実際はそうではないです。  
 あまり飛行が上手くなく、ジグザグに飛び回るので、後羽を  
 ひろげて飛ぶときには、大きな空間が必要です。  
 しかし、各地の里山は手入れをされずに荒れてしまい、  
 生息できる場所はどんどん減ってしまっています。


また最近では、虫採りの体験やその後の飼育をしたことがない
大人たちも増え、困ったことに虫を採るのはよくない、飼うのも
よくないという声も聞いたりします。

昆虫学者の矢島稔先生は、こう話されています。
「人間は本来生き物に、動いているものに興味があります。  
 それは人間も生き物だから。  

 一番困っているのは、かわいそうという感情論です。    
 昆虫採集とは、認識の方法であるのに、五感を使わない  
 認識をしていたこの何十年かが日本人を変えてしまいました。  

 遊びの中で生き物を殺すことはあるが、その経験は  
 その人の中に何らかの形で残ります。    
 代償体験としてその人の生命観・自然観の基になるものだと  
 僕は思います。  

 それを初めからかわいそうとただ見るだけで採らせなければ、  
 その人の自然観・生命観はそこで切れてしまうのです。  
 実際に自分で生き物を見つけてとったり、動きを見たりする。  

 この五感の体験を通して、生き物のことを知ると、  
 想像していたのとは全く違うということが分かるはずです。    
 虫に対して持っていた先入観を捨てて、子どもたちが  
 目を輝かせて里山を飛び回っている。  

 子どもたちは虫取り網で、虫をとろうとするけれども、  
 そう簡単にはとれない。  
 そのことで、虫も一生懸命生きていることを実感し、  
 命の大切さを知るのです。  

 子供が自然と触れ合うことで、命や環境の大切さが、  
 幼児体験としてすり込まれていくのです。」

いつか聞いたすばらしい言葉の中に、
「知恵のない知識は無意味だ」というものがありました。
自然や生き物たちと触れ合うという体験を子ども時代にしていく ことは、
知識偏重の時代の中でますます必要なことであろうと思います。

この夏のカブトムシとの出会いと飼育。
息子はこのカブトムシに「キング君」という名前をつけました。
自分とは異なる小さな虫が生きる姿を見つめながら、
息子がどのように感じ、成長していくのか。 楽しみです。
きっと大人になったときに、懐かしく思うことでしょうね。


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