月曜日, 9月 17, 2007

「いまここに生きることの価値」-岸 岩夫、村上和雄

連休に入っての2日間は、父の見舞いに行っていました。

先週水曜日、父は心臓手術をしました。
これは数週間ほど前に精密ドックに入ったところ、
心臓の周りの冠動脈が硬化しているとのことで、このままでは
心筋梗塞になる可能性が高いとのことから行ったものでした。

その夜、母に電話して結果を聞いたところ、
硬化していた冠動脈に手術が施されたが、経過は良いので
大丈夫だろうとのことで、とりあえず安心しました。  

 <心筋梗塞>   
  心臓は心筋を収縮させることで新鮮な酸素と栄養を含んだ   
  血液を全身に循環させています。こうして生命を維持していますが、
  その心筋もまた心臓を取り囲んでいる冠状動脈より、酸素と栄養を
  供給してもらい動いています。   
  その動脈が何らかの原因で障害が起きて、狭窄や閉塞を生じることを
  狭心症、心筋梗塞といいます。


休みに入った土曜日、父が入院している病院へ見舞いに行きました。
術後数日が立っている父は、顔色もよくふだんと変わらない感じでしたが、
手術の話を聞いて驚いてしまいました。

父が施されたのは、コレステロールにより狭くなってしまった
冠動脈の1本に、十分な血液が流れるように内科的治療である「ステント法」
でした。
この方法は、カテーテルを使い、詰まっている部分にステントという網状の器具を
冠動脈に送り込み、血流をよくするというもの。

私が驚かされたのは、父の冠動脈のうち、ある箇所で既に血管が詰まるという
心筋梗塞の状態になっていたそうなのです。
普通であれば、その時点で血流が止まり、即手術を施す必要があります。
(父は以前に胸の痛みや気分の悪さをひどく感じたという時期があるとのことで、
 その時が詰まった状態の時だったのだろうと言っていました)

ところが、不思議なことにその梗塞になった箇所をバイパスする 形で、
新しい血管が動脈に生まれ、この血管が血流させる役割を担っていることが、
今回の手術をしてみてわかったというのです。

私はこの人体が持つ不思議な再生能力に興味を持ちました。
帰宅後に知ったことは、次のようなことでした。

「自家末梢血血管内皮前駆細胞(CD34陽性細胞)という血管の幹細胞が
 人体の骨髄や血液中に存在する。  
 この細胞は、血管の閉塞した臓器や組織に注入されると血管を形成する細胞に
 なる能力がある。  
 血管の閉塞した心臓にこの幹細胞を注射することによって、  
 新しい血管がつくりだされ(血管再生)、血流が改善し臓器機能が回復する。」

外科手術でこの血液を新しく作り出す働きをもつCD34陽性細胞を注入するそうなのですが、
父の場合は自力でこの細胞が働き、血管再生が行われていたのです。
生命の持つ自己治癒力をはっきりと認識しました。

そして、この22日に人生70年を迎える父は、今回の手術が生まれて
初めての入院というもので、生命力の強さをあらためて感じました。


この生命力の素晴らしさについて、遺伝子学者の村上和雄先生はこう語られています。

「遺伝子の世界を見ていると、私たちが生きて存在していること自体が、  
 驚異的なことに思われてきます。  

 私たちは約60兆個の細胞の集合体です。  
 細胞が集まって高度な秩序をもつ器官や臓器をかたちづくっています。    

 たとえば腎臓の一個の細胞を見ると、腎臓の役割をはたすためだけの遺伝子が  
 ONになっていると同時に、腎臓という臓器の一部を形成し、
 さらにほかの細胞と協力して、腎臓という臓器全体を成り立たせています。  

 これは会社勤めのサラリーマンのようなもので、  
 一人の社員は会社の営みの一部分を担っていますが、  
 会社に隷属しきっているわけではありません。
 彼には個人的な生活もあります。  

 細胞も同様で、腎臓の細胞でありながら、それ自身に個性があり、  
 臓器の中で自主的、選択的に働いているのです。  

 これは部分である細胞が、全体としての性質も備えていることを意味します。  

 これらのことは、細胞と臓器の関係だけでなく、  
 人間と社会、人間と地球、ひいては人間と宇宙との関係についても  
 言えるのではないでしょうか。  

 私たち人間は、一人の人間でありながら、  
 全体としては宇宙の一部であるということです。  

 そう考えると、いまここに生きていられるだけでも  
 価値のある、ありがたいものだと思われてきます。  

 中にはそう思わない人もいるかもしれませんが、  
 そう思ったほうが楽しいじゃないですか。  

 そして、感謝して生きるとは、そう思って生きることにほかならないのです。」


父は今月迎える誕生日を境に、経営の第一線から退き、兄に後事を託します。
昔から、父が欠かさず毎朝恒例にしてきたこと。
神棚に水を供え、手を合わせ、大宇宙の神に祈る、ということ。
「自分の全身全霊を生ききるように」と祈っているのだと、
いつか教えてくれたことがあります。

同じ遺伝子を受け継いだものとして、恥じぬように 私も生きていこうと思います。


◎「日環エンジニアリング株式会社」  http://www.nikkan-ks.com/index.htm


お越しいただき、ありがとうございます。共感したら、Click me! 

0 件のコメント:

フォロワー

amazon