土曜日, 11月 03, 2007

「強き思いと高き志は、いつしか持続可能な社会を創りあげる(中国・雲南省・三江併流森林生態系保全)①」-☆森のクマさん☆

「世界の霊長類の約3割が、絶滅の危機に直面している」  
IUCN(国際自然保護連合)の報告

21日から雲南省の昆明経由で麗江市に広がる世界自然遺産、
三江併流の森林生態系保全プロジェクト視察の旅から 昨日(28日)帰国し、
休養をとっていた中で目にしたニュース。

この報告によれば、 「現在394種が確認されている霊長類のうち114種が、  
深刻な森林破壊、違法な狩猟、ペット目的の捕獲、地球温暖化などの  
原因で、絶滅の恐れがあると指摘。  
特にアジアが深刻で、絶滅が心配される上位リスト25種中11種が、  
アジアに生息する霊長類。  ゴリラやオランウータンなど世界の霊長類の
約3割が絶滅の危機に直面している」。

人類を除く霊長類にとって、地球環境の悪化は危機的な事態にまで
進行しているのです。
彼らの生息域である森林の劣化・減少が原因であり、 私たち人間の
活動によるものとの認識に胸が痛みます。

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私が今回訪問した中国南西部の雲南省麗江市に広がる世界自然遺産、
三江併流。
このうち主なプロジェクト活動場所は、老君山地域や文筆山。
現地には、キンシコウ(金絲猴)という霊長類が生息していますが、
IUCNのレッドリストでは「絶滅の危険が増大している種」、 「絶滅危惧II類」に
分類されているとても貴重な生物です。

このキンシコウを含めて、様々な生物たちが生息する三江併流は、
「生物多様性の宝庫」と呼ばれ、世界自然遺産に登録されています。

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21日(日)
羽田から関空へ行き、約4時間のフライト。  
夜9時半頃、省都昆明の空港に到着。外は小雨混じりの天気。  
迎えの車に乗り込み、3車線を持つ無料の高速道路を走りながら  
初めて見る中国の夜の町並みを珍しく眺めていました。  

ホテルでチェックインし部屋に入り、翌朝早いので早々に床につきました。  
が・・・明日からの7日間、現場訪問し、関係者との交流や打ち合わせと
様々に予定されているスケジュールと初の中国に少し興奮してか、
しばらく寝付けない夜でした。

翌朝(22日(月))、目覚ましに気づき起床時間の6時と思いきや  
テレビをつけると5時の表示が・・・  
日本から持っていった目覚まし時計が電波時計であった為、  
前夜時刻調整して1時間前にしておいたのが元に戻って日本時間に  
なっていたのです。  
6時に朝食をとった後、現地関係者の車で空港へ。  
今朝も小雨模様。  

車内で、同乗のパートナー組織である  「アジア緑色文化国際交流
促進会(AGA)」の和代表に 「私は晴れ男だから、これからきっと
晴れてきますよ」と宣言。  これが見事に当たり!  

麗江に着いてから聞いてみると、前日まで10日間ずっと雨が  
降り続いていたのだそう。  
「雨降って、地固まる」、今回の視察も成功するように思えました。  

8時の飛行機で麗江空港へ移動、9時頃着。  
迎えに来ていたパジェロに乗り込み、市街地へ移動。  
中国では、助手席に主賓が乗るものだと言われて、以後  
ここが私の定席となりました。  

麗江市の標高は約2,400m。  
古い黒ずんだ瓦に白い土壁の家という古い町並みと、あちこちで  
開発された高層マンションという新しい町並みとの同居が見られます。    

1996年、M7という大地震に襲われますが、旧市街の木造家屋は  
瓦や土壁が落ちたものの、柱などの構造体にはほとんど被害がなかったそうで、
ほぼ1年で復興したのだとか。  

日本の古い寺社建築、例えば法隆寺が有名なものですが、  
それと同じように釘を使わずに組み立てられていたそうで、先人の  
自然を活かした技術力の技の立証といえます。  

97年、世界文化遺産に登録された旧市街の麗江古城は、  
名峰、玉龍雪山から伏流水を引き込んだ水路が市街のあちこちに  
張り巡らされ、冷たい澄んだ水が流れています。  
これに沿って石畳の細い路地が並び、周囲には昔ながら古い家屋が  
軒を接して建ち並び、古香古色、中国の古い建築物ばかりです。  

路面は麗江で生産した五花石が敷きつめられ、雨季は泥が無く、  
乾季は塵が無いそうです。  
城内には明清時代の石橋や石の鳥居が多くあり、  
古城は中心から四方に延び、大通りと路地は秩序よく並んでいます。    

昼間の文筆山での森林観察などを終え、夕方歓迎宴での乾杯  
(聞いてみると50度だという強い老酒)を頑張ってこなし、  
その後、夜の古城を少々千鳥足になり、案内を受けながら  
素晴らしい世界遺産の町並みを楽しむことができました。  

この麗江の地には、自然遺産の「三江併流」、  
文化遺産の「麗江古城」がありますが、実はもう一つの  
世界遺産を持っています。  
それは、世界記憶遺産であるトンパ文字。    

世界記憶遺産は、あまり知られていないのですが、  
危機に瀕した歴史的価値の高い記録遺産を最新デジタル技術を  
駆使して保全し、研究者や一般人に広く公開することを目的とした  
ユネスコの事業。  

トンパ文字またはトンバ文字(東巴文)とは、中国のチベット東部や  
雲南省北部に住む少数民族の一つ、納西(ナシ)族に伝わる、  
象形文字の一種。  
ナシ語の表記に用い、約1400の単字からなり語彙は豊富。  
現在、世界で唯一の「生きた象形文字」とされています。  

実は今回同行していただいた和さんも、納西族出身。  
かつて国内で日本語を学ばれ、苦労されて日本に留学し、  
日本に来てからも苦労と努力の中で東大に入り博士号をとられた  
素晴らしい方です。  
納西族であることに誇りをもち、地元の麗江に貢献したいと強く願っています。  

現在は、中国の科学者の最高機関である中国科学院の研究者として  
勤務されながらAGAの代表も勤められている親日家です。  
彼の夢は、地元の麗江において、生物多様性保全を柱とした地域社会の  
持続可能な循環型共生社会を創りあげていくこと。  

中国国内同様に、格差が大きく広がりつつある麗江の都市部と農村部に  
おいて人々が自然環境に対して恩恵の気持ちを持ち、  
各々が無理なく関わりながらこの社会創りに喜んで参加していくこと。  

私と同い年であり、同じ方向での夢・ビジョンを持つ彼の強い思いと  
志の高さに、何度も感心させられながらの視察となりました。


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