日曜日, 12月 07, 2008

「全体をとらえる観察眼」-養老孟司


養老孟司さんは、解剖学者であり、「バカの壁」などの本で
世の中に対する鋭い見方を披露されたりしていますが、
一方で実は、昆虫採集の名人でもあります。

養老さんの世界を見る眼、自然を見る眼、人間(特に日本人) を見る眼は、全体から細部に至るまで実に行き届いています。

本質を見抜き、虚飾でない本当の自己を通して、鋭い観察を
通しての言葉を語られている方。

オーストラリア原住民のアボリジニのおばさん二人が
世間話をしている風景をみて、日本の「茶道」を連想されたと
いう話を紹介しましょう。

「二人のおばさんが向かい合わせの形で、
 芝生に腰をおろして話を始めた。

 それだけの風景なのですが、じっと見ていたら、
 おばさんが座りながら後ろ手で芝生の上を探っているのです。
 
 それは何をしているかというと、
 そこに落ちている落ち葉を探っているのです。

 公園ですからプラタナスか何かの大きな木が何本かあって、
 大きな葉が落ちている。
 
 それを手探りで探して、一枚拾う。
 そして、その上に手をつくんです。
 そして反対側もこうやって探して、また一枚拾って、
 適当な場所に置いて、手をつく。

 実に見事な優雅な動きなのです・・・・

 その動きを見ながら、
 僕は「これはお茶だ」と思いました。」


日本に限らず、世界の各地にはさまざまな身体技法があります。
これを、権威化することで中身を薄いものにしてしまうのではなく、
日々のふるまいの中にいかに取りこんでいくことができるか、
美としてとらえることができるか、ということこそが大事なのだと
思います。

従来型の大量生産・消費の価値観から転換し、自然生態系の持つ
循環の素晴らしさを私たち現代の人間社会に活かしていくことが
求められていますが、
それには、頭のみに頼って物事を考えるだけでなく、
身体全体でとらえるということが必要ですね。


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