土曜日, 5月 23, 2009

「38億年受け継がれてきた命を伝える」-小菅正夫


昨夏に生まれたカブト虫の子どもが
少し前からさなぎになりました。

2年前の夏から森でつかまえた
カブト虫を息子と家で飼育し、
昨年はオスとメスが死んでしまった
後、土の中に産んでいたとても
小さな卵を見つけて、以来腐葉土を旺盛に食べる幼虫6匹を
育ててきました。

息子はそれぞれに、
「せかいくん」「ようくん」「まったくん」「やったくん」
「あじあちゃん」「めんくん」
と名前をつけ、
土替えのときにそれぞれが大きく成長をしている姿を
見る度に喜んでいました。

そしていよいよさなぎの姿になりました。
私は子どもの時にやはりカブトを育てていましたが、
土替えをきちんとしていなかったため、さなぎになるまでは至らず、
大人の今になって見れたことに感動しました。

このままいけば7月には成虫の姿を見せてくれることでしょう。
私も妻も息子も皆心待ちに楽しみにしています。


昨年7月に初めて行った「旭山動物園」。
日本最北にして日本一の入園者を集めるこの有名な動物園は、
本当にすばらしい動物園です。

水に飛び込む大迫力のホッキョクグマや、
地上17mの綱を危なげもなく渡るオランウータン、
地上でのよちよち歩きからは想像もつかないようなスピードで
泳ぐペンギンたち。
真近に見えるオオカミやトラ、ライオンたち。
人間の能力をはるかに超えた彼らのすばらしい能力を示す姿に
会えました。

一方で、この旭山動物園では、動物が弱って動けなくなり
死ぬところまできちんと展示しています。
それは『死を伝えることなくして、命を伝えることなどできない』
いう園長の小菅正夫さんを始めとする園の方針からです。

小菅さんはこう語っています。
『動物園にはいろいろな相談の電話がかかってきます。
 あるとき、小さな子どもを持つお母さんから
 「うちの子供が、どこかからカメをもらってきたのですが、
  どうやって飼うのでしょう」という電話がありました。
 
 どこかで知識を得た様子のお母さんは、
 「カメは何か病気を持っているのではないか」と心配して
 いたのです。
 それで、「病気の原因になるサルモネラという菌を持っていますよ」
 と答えると、そのお母さんは、
 「そんな菌を持った恐ろしい生き物は、とても家の中で飼えません
  よね」と言いました。

 カメにとって腸内にサルモネラ菌を持っているのはきわめて
 普通のことで、それでカメが病気になることはありません。
 触った後に手を洗うなど、ごく基本的な注意を守って飼っていれば、
 それが簡単に人間にうつることはないし、
 そもそも、菌が存在すること自体、特別なことではないのです。

 もちろん、お母さん達が知識を持つのはいいことだし、
 子どもたちの心配をする気持ちもよくわかります。
 でも僕は、こんなふうに生き物をきたないもの、人間だけを
 特別なものと考える最近の風潮が、とても気になります。

 少なくとも僕が子どもの頃は、生き物をきたないと感じたことなど
 ありませんでした。
 動くものを見れば触ってみたくなる。
 それが普通の子どもだったのです。
 生き物に触れて、一所懸命育てて、その死に遭遇してわんわん泣く。
 そうした生活の中で、命というものをだんだん理解していきました。

 今、ほかの人の命も、自分の命も大切にできない子ども達が
 増えています。
 これは、人間だけを特別視し、人々の暮らしから人間以外の
 生き物(飼い犬や猫は除く)を遠ざけてきた結果では
 ないでしょうか。
 
 人間だけが清潔で、人間以外の生きものはきたない-こうした、
 ”潔癖症”ともいうべき姿勢が、結果的に「人の命」も
 わからなくさせているのだと僕は思うのです。

 人々が病院で死を迎えるようになったことで、日常生活の中から
 「死」というものがどんどん遠ざけられるようになったことも、
 「命」をわからなくさせている一因かもしれません。

 こうして、現代の日常生活でなかなか伝わらなくなってしまった
 「命」を、何とかして伝えたい。
 僕が今、旭山動物園の園長をしながらいつも心で願っているのは
 このことです。』

私たち人間は今まで、自分たちだけのことを考えて発展してきました。
そして、動物たちの棲む自然環境を破壊してきましたが、
それは当然自分たちの住む環境を破壊する結果になり、
持続不可能な社会を作ってきてしまいました。

地球上に生息しているといわれる生き物は数百万~数千万種と
言われています。
最初に誕生した生き物は、今から38億年前といわれており、
全ての種は人間よりも早く誕生した先輩たちです。

人間以外の生き物と共存して暮らしていけるように、
私たちはまず自分達以外の生き物を見て、
その命を考えていくことが大切ですね。


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