日曜日, 6月 07, 2009

「地球まほろばの尊さを伝える宇宙からの贈りもの」-毛利衛


以前見たNHKの番組「宇宙飛行士
はこうして生まれた~密着・最終
選抜試験」。

とても素敵な内容でした。
子どもの頃から「宇宙に行きたい」
という夢をかなえるため、宇宙飛行士になることを望み、
厳しい選抜試験を受け、最終選考の10人に選ばれた30代の男女
10人の候補者たち。

番組は選考試験の内容を密着取材し、彼らの過酷な試験や
応援する家族とのふれあいを通して何をつかみとったのかを
ルポで見つめたもの。

■NHKスペシャル 宇宙飛行士はこうして生まれた
        ~密着・最終選抜試験~

「2月25日、10年ぶりに2人の日本人宇宙飛行士の候補者が誕生。
 今回、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施した選抜試験には
 過去最多の963人の応募があった。
 宇宙飛行士の募集は10年間行われてこなかったため、いったんは
 夢を諦めてそれぞれの人生を歩んでいた人達が「最後のチャンス」
 と、家族や職場を説得し試験に臨んだのだ。
 1月、最終選抜試験まで残った10人も、サラリーマン、技術者、
 パイロットなど、いずれも30代の男女。
 宇宙ステーションを模した施設に閉じこめられて共同生活の様子を
 監視され、2週間にわたる実技試験が行われた。
 その結果、大西卓哉さんと油井亀美也さんが宇宙飛行士として
 選ばれた。」

数年前、日本科学未来館で行った環境シンポジウムにて、館長である
毛利衛さんに講演していただく機会があり、私は事務局であったので
幸運にも舞台の袖でお話を真近に聞くことができました。

毛利さんは、92年と2000年の二度、宇宙飛行士として
あふれるほどの贈り物を受け取ったといいます。

『ますます増えていく人間の数と地球環境との調和を保つのは、
 21世紀に活躍する若い皆さんの役割です。
 若人たちの前途は輝いていると共に、多くの困難も待ち構えて
 います。それに直面するときに、一人一人に必要なものは、
 地球全体と宇宙を視野に入れた透明で強い意志、そして
 生命全体を考えるやさしさだと思います。

 二度目の宇宙飛行でのミッションにおける日本のテーマに
 「地球まほろば」がありました。
 20世紀の最後の時期、日本は経済的にも低迷していて、
 今までの繁栄してきた夢が挫折する感じだったのです。
 それと同時に、今までの高度経済成長が何だったのかということを
 考えさせてくれる、すごくいいチャンスだったような気がするの
 です。
 
 未来ばかり見るのでなくて、やはり過去を見て、今まで日本が
 どうだったのか、地球環境がどうだったのかということを見て、
 はじめて次の21世紀を新しい気持ちで生きていけるのかなという
 思いがずっとありました。
 それにぴたっとくる言葉がないかと探していたところ、
 日本の古来の言葉に「まほろば」があることを思い出しました。
 「まほろば」は、すぐれたいいところということですから、
 誰もが住んでいたいという気持ちになるところだと思うのです。

 私は、地球に帰ってきたときに、湿度とか、空気の匂いとか、
 花が咲いたり、虫がいたりする環境が、やはり人間にとって一番
 いいんだろうなという気持ちになりました。
 もしも地球全体が人工環境になってしまったら大変だという思いが
 ありました。
 
 21世紀は、自然をコントロールして、その人工的な環境に
 近づいていくと思うのです。
 人工環境にするためには、自然を変えていっているわけです。
 しかし、一度自然を変えてしまうと、例えば生物は絶滅すると、
 もうそれが生まれることはないのです。
 新しい化学物質がどんどん生まれてきていますけれども、
 そういうものが地球の生命になじむには、とても千年とか二千年では
 すみません。
  
 人間が生きている間にすべきことは、やはり何千万年、何億年という
 歴史を変えてしまわないことだと自信をもって言えます。
 そういう意味で、もともと「まほろば」と感じているものを大事に
 したいと願っています』

毛利さんが宇宙体験を通して感じた「宇宙からの贈りもの」。
地球に生命が生まれ、40億年かけてその時その時の環境に
適応するように多様化した結果が、現在の地球環境であることの
真の理解。

そして、この自然の適応力と多様性こそは、
人類がこれからも生きていく上で大事にすべきものだと
教えてくれます。


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